皮膚科
皮膚科では、犬や猫の皮膚のトラブルに対し、詳細な問診と体系的な検査に基づき、一頭一頭の症状の根本原因を追求します。
スキンケア指導から最新の治療まで、その子とご家族のライフスタイルに合わせた最適な治療プランを一緒に考えていきます。
治療が長期にわたっている、再発を繰り返すなど、お困りの場合はセカンドオピニオンも受け付けておりますので、諦めずにご相談ください。
こんな症状ありませんか?暮らしの中の小さな変化が病気のサイン
ご家族の以下のような行動や皮膚の変化は、かゆみや不快感を伝えているサインです。
▼かゆみを気にする行動
- 顔や足先、脇の下など同じ場所をしきりに掻く、舐める、噛む
- 耳を頻繁に掻いたり、頭を振ったりする
- お尻を床にこすりつけたり、舐めたりする
▼見た目の変化
- 皮膚が赤い、ブツブツとした発疹が出ている
- フケが多い、または皮膚がベタベタしている
- 毛が薄くなった、部分的に地肌が見えている(脱毛)
- じゅくじゅくした湿疹や、かさぶたができている
- 皮膚が黒ずんできた(色素沈着)
- 皮膚にイボやしこりができた
▼耳のトラブル
- 耳の中から嫌な臭いがする
- 黒や黄色の耳垢がたくさん出る・耳漏
- 耳の入り口が赤く腫れている
当院で診療する主な疾患
動物たちのかゆみ、脱毛、湿疹といった皮膚トラブルは、非常に多く見られる症状ですが、その原因は一つではありません。当院では原因を的確に診断し、それぞれに合った治療を行います。
感染症
細菌(膿皮症)、マラセチア(真菌)、皮膚糸状菌(カビ)、ノミ・ダニなどの寄生虫が原因となる皮膚炎です。
アレルギー・免疫の異常
特定の食べ物や、ハウスダスト・花粉など環境中の物質に体が過剰反応して起こります。自分の免疫が皮膚を攻撃してしまう自己免疫性疾患も含まれます。
ホルモンや内臓の病気
甲状腺や副腎のホルモンバランスの乱れ(甲状腺機能低下症、クッシング症候群など)が原因で、左右対称の脱毛や治りにくい皮膚炎が起こることがあります。
その他
遺伝的素因、ストレスによる過剰なグルーミング、皮膚の乾燥、皮膚腫瘍など、原因は多岐にわたります。
最善の治療のために診断までのステップ例
皮膚病の治療は、ただ症状を抑えるだけでなく、その背景にある根本的な原因を突き止め、根気強く向き合っていくことが何よりも大切です。当院では以下のような検査を体系的に進めていきます。
問診と基本的な皮膚検査(原因の絞り込み)
問診・視診・触診: 症状が始まった時期、食事内容、生活環境などを詳しくお伺いし、皮膚の状態を丁寧に観察します。
皮膚表面の検査(被毛検査、セロテープ法など): 抜け毛や皮膚表面の細胞を顕微鏡で観察し、細菌や真菌、寄生虫の有無などをその場で迅速に評価します。
感染症やアレルギーの特定
皮膚掻爬検査: 皮膚の表面を少しだけ削り取り、皮膚に潜むダニ(疥癬、ニキビダニなど)がいないかを確認します。
真菌培養検査: 皮膚糸状菌症が疑われる場合に行う検査です。
除去食試験・アレルギー検査: 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が疑われる場合、原因アレルゲンを特定するために行います。
内分泌疾患や難治性疾患の精査
血液検査・ホルモン検査: 甲状腺機能低下症やクッシング症候群など、内臓の病気が隠れていないかを確認します。
皮膚生検(病理組織検査): 難治性の皮膚炎や皮膚腫瘍が疑われる場合、皮膚の一部を採取して専門機関で詳細に調べ、診断を下します。
当院で実施しているその他の検査
一緒に考える治療方針
診断結果と、動物の状態、ご家族の希望を総合的に考慮して、長い目で見て、その子にとって最善の道は何かを常に一緒に考えさせてください。目標は「完治」だけでなく、症状を上手にコントロールして「かゆみのない快適な毎日」を取り戻してあげることかもしれません。
