歯科

わんちゃん・ねこちゃんの歯科疾患は、実は「最も多く見られる病気」の一つです。しかし、動物たちは口の痛みを隠すのが上手なため、飼い主様が気づいた時には歯周病がかなり進行しているケースも少なくありません。当院では、単に歯石を取るだけでなく、全身麻酔下での精密な検査に基づいた根本的な治療、そして何よりも「病気にさせないための予防」を重視しています。

こんな症状ありませんか?お口のトラブルのサインです

言葉を話せない動物たちのお口の異変は、日々の小さなサインに現れます。

▼口臭・見た目の変化

  • 口の臭いが強くなった(生臭い、腐ったような臭い)
  • 歯に茶色や黄色の塊(歯石)がたくさん付いている
  • 歯ぐきが赤く腫れている、または出血している(おもちゃに血が付くなど)
  • 歯がグラグラしている、抜けてしまった

▼食べ方の変化・痛みのサイン

  • ごはんを食べにくそうにする、口からポロポロこぼす
  • 硬いフードを嫌がり、軟らかいものばかり食べたがる
  • 口を触られるのを嫌がるようになった
  • 前足で口の周りをこする仕草をする

▼その他の症状

  • くしゃみや鼻水が続く
  • 目の下が腫れてきた
  • よだれが増えた、よだれに血が混じる

当院で診療する主な疾患

犬と猫、またその品種によってもかかりやすい病気は異なります。当院では幅広い腫瘍疾患の診断・治療に対応しています。

歯肉炎・歯周炎

歯周病菌により歯ぐきが炎症を起こし、進行すると歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてしまう病気です。歯が抜ける最大の原因です。

根尖周囲膿瘍

歯の根元に膿が溜まり、目の下や顎が腫れることがあります。

歯の破折

硬いおもちゃやひづめなどを噛んで歯が折れたり欠けたりした状態で、放置すると激しい痛みを伴う歯髄炎につながります。

乳歯遺残

大人の歯が生えても乳歯が抜けずに残り、歯並びや歯周病の原因となります。

その他

歯垢・歯石沈着、口腔鼻腔婁、歯髄炎・歯髄壊死、不正咬合(噛み合わせの異常)、吸収病巣 など

               

最善の治療のために診断までのステップ例

当院では、安全な全身麻酔と、診断に不可欠な歯科レントゲンを用いた質の高い歯科治療を徹底しています。

Step1

診察とカウンセリング

まずは飼い主様からお話を伺い、お口の中を視診します。現状をご説明し、必要な処置や検査、費用の概算についてご説明します。

Step2

安全な全身麻酔のための術前検査

安全に麻酔をかけるため、事前に血液検査やレントゲン検査などを行い、心臓や肝臓、腎臓などの状態を評価します。

Step3

全身麻酔下での精密検査と処置

  1. 口腔内全体のチェック: 意識のある状態では見られない、歯の裏側や歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)の深さを一本一本丁寧に確認します。
  2. 歯科レントゲン検査: 目に見えない歯の根元や顎の骨の状態を評価するために不可欠な検査です。歯周病の進行度や、痛みの原因となっている隠れた病巣を発見できます。
  3. 歯石除去(スケーリング)と研磨(ポリッシング): 超音波スケーラーで歯石を除去した後、歯の表面を滑らかに磨き上げ、歯石の再付着を防ぎます。
  4. 必要な歯科治療: 診断に基づき、抜歯や歯周外科、根管治療など、その子に必要な治療を行います。

一緒に考える治療方針

診断結果と、動物の状態、ご家族の希望を総合的に考慮し、以下の治療法を組み合わせて最善のプランをご提案します。

外科手術(手術で取り除く)

腫瘍を取り除く最も基本的な治療法です。

薬物療法(お薬でたたく)

抗がん剤や分子標的薬などを用いて、目に見えない腫瘍細胞の増殖を抑えます。

放射能療法(エネルギーでこわす)

高エネルギーのX線などをがん病巣に照射することで、がん細胞を死滅させたり増殖を抑えたりする治療法です。

飼い主様へ

口のトラブルは状態が進行してから気づくことが多く、全身の健康にも影響する場合があります。また日々のデンタルケアがとても大切になってきます。些細なことでもなにか気になることがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

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