循環器内科
心臓病は、気づかないうちに進行していることが多い病気です。咳、息切れ、疲れやすさといった症状は、年齢のせいではなく心臓からのサインかもしれません。当院では、的確な診断に基づき、一頭一頭の動物とご家族に合わせた最適な治療をご提案します。気になる変化があれば、お早めにご相談ください。
こんな症状ありませんか?暮らしの中の小さな変化が病気のサイン
年齢のせいと思われがちな症状が、実は心臓からのSOSである可能性があります。一つでも当てはまる場合は、お早めにご相談ください。
▼特に気づきやすい変化
- 咳が出るようになった、または増えた(特に夜間や興奮時)
- じっとしている時でも呼吸が浅く速い、苦しそう
- 散歩など、軽い運動でもすぐに疲れたり、座り込んだりする
- 急に倒れた、気を失ったことがある
▼具体的な症状
- 呼吸: お腹を大きく使って呼吸する、首を伸ばして苦しそうに呼吸する。猫なのに口を開けて呼吸している。
- 色: 舌や歯茎の色が白っぽい、または紫色に見える(チアノーゼ)。
- 様子: 元気がなく、寝ている時間が増えた。食欲が落ちてきた。
- 体の変化: お腹が急に膨れてきた。足がむくんでいる。
当院で診療する主な疾患
犬と猫、またその品種によってもかかりやすい病気は異なります。当院では幅広い心臓疾患の診断・治療に対応しています。
弁膜症
心臓の扉(弁)がうまく閉じなくなり、血液が逆流してしまう病気です。(僧帽弁閉鎖不全症 など)
心筋症
心臓の筋肉そのものに異常が起きる病気で、特に猫に多く見られます。(肥大型心筋症など)
不整脈
心臓の鼓動のリズムが乱れる病気です。失神の原因になることもあります。
先天性心疾患
生まれつき心臓や血管に構造的な異常がある病気です。(動脈管開存症 など)
その他
肺高血圧症、心臓腫瘍、心膜の病気、フィラリア症、血栓塞栓症 など
最善の治療のために診断までのステップ例
的確な治療を行うため、動物への負担を考慮しながら、段階を踏んで検査を進めます。
診察と基本検査(初期評価)
聴診: 心雑音や肺の異常音の有無を確認する、最も基本的で重要な検査です。
血圧測定: 高血圧は心臓に大きな負担をかけるため、定期的な測定が重要です。
血液検査: 全身状態の把握とともに、心臓に負担がかかると上昇する特殊な項目(心臓バイオマーカー)を測定します。
画像検査(心臓の状態を詳しく可視化)
胸部レントゲン検査: 心臓の大きさや形、肺に水が溜まっていないか(肺水腫)などを評価します。咳の原因特定にも役立ちます。
心臓超音波(エコー)検査: 心臓の動き、血液の流れ、弁の状態などをリアルタイムで観察できる非常に重要な検査です。 心臓病の種類や重症度を診断します。
不整脈や全身状態の評価
心電図検査: 心臓の電気的な活動を記録し、不整脈の種類や重症度を診断します。
ホルター心電図(※連携施設にて実施): 24時間心電図を装着し、日常生活の中での不整脈の発生を捉えます。失神の原因究明などに用います。
当院で実施しているその他の検査
一緒に考える治療方針
診断結果と、動物の状態、ご家族の希望を総合的に考慮し、以下の治療法を組み合わせて最善のプランをご提案します。
